カフェインレスコーヒーの安全性は、抽出方法で判断する。安心なのはメイドインJAPAN

一般的にカフェインレスコーヒーは、「カフェインが入ってないから安心できる飲み物」と認識されていますが、それは大きな間違いです。
カフェインレスコーヒーには、カフェインを抽出するために3種類の方法があります。その3つのカフェイン抽出方法は、どれもが安全だと言い切れるものではなく、安全性に問題が残るものがあります。
安全なカフェインレスコーヒーは、「超臨界二酸化炭素」でカフェインを抽出したものだけだと、私は考えています。残り2つのカフェイン抽出方法は、何が問題なのかをご説明しながら、カフェインレスコーヒーについてご紹介します。
カフェインレスコーヒーが人気の理由
カフェインレスコーヒーは名前の通り、カフェインレスなので「カフェイン作用」による効能、効果がありません。カフェイン作用以外のコーヒーのメリットが、そのままカフェインレスコーヒーにも含まれているため、多くの人の支持を受けているようです。
1.睡眠の質の向上
カフェインレスコーヒーの最大のメリットは、カフェインの作用を気にする必要がないことです。カフェインの作用には、興奮作用や覚せい作用があるため、頭をスッキリさせる効果があります。カフェインは夕方以降に飲むと、 その影響で睡眠の妨げになりやすいです。
カフェインレスコーヒーには、カフェインは含まれていませんが、コーヒーの香りはそのまま残っています。この香りにはリラックス効果があり、眠りにつきやすくしてくれます。
2.胃腸が痛まない
カフェインの作用には、胃液の分泌を活発にする働きがあります。そのため胃腸の弱い人や空腹時にカフェイン入りコーヒーを飲むと胃液が荒れて、胃が痛む傾向があります。またカフェインに強い人と弱い人がいて、どれくらいの量が適量なのかは難しいところです。
お酒を飲める量と同じで、どれくらいが自分の適量なカフェイン量なのかは、自身の経験でしか判断することは難しそうです。ただカフェインレスコーヒーには、カフェインは含まれていないため胃が痛むことはありません。
3.カルシウムなどの栄養分をキープ
カフェインには利尿作用があります。そのためカルシウムなどの必要な栄養分と尿が一緒に排出されて、カルシウム不足でイライラしてしまったり、鉄分不足で貧血気味になったりします。これらの症状が長期的に続くと、骨粗しょう症になったりなどのリスクが高くなります。
カフェインレスコーヒーには、カフェインは含まれていないためカルシウムなどが排出されやすくなることはありません。
カフェインレスコーヒーのデメリット
1.普通のコーヒーに比べて価格が高い
普通のコーヒー同様、カフェインレスコーヒーも手軽に飲めるインスタントコーヒーが人気ですが、普通のカフェイン入りコーヒーに比べてカフェインレスコーヒーの価格は割高です。
カフェインレスコーヒーは、Amazonなどのネット通販を利用して、安くなっているときにまとめて買うことで価格を抑えることができます。
2.取扱い店舗が少ない
最近はカフェインレスコーヒーの人気が高まり、コンビニでもを販売するようになりました。とは言え、カフェインレスコーヒーは、 まだ普通のコーヒーに比べて種類が少ないのが現状です。また地域によっては、カフェインレスコーヒーの取扱いがないところも多く見受けられます。
3.カフェイン入りに比べてパンチが弱い
カフェインレスコーヒーは、とてもやさしい味です。普通のコーヒーを飲みなれている人にが、カフェインレスコーヒーを飲むと、少し味に物足りなさを感じるかもしれません。
私が最初飲んだ時は、正直そう思ってしまいました。でも慣れてしまえば、カフェインレスとカフェイン入りの使い分けは、できるようになってきました。
カフェインレスコーヒーの種類

1.カフェインレス
カフェインレスは、主にデカフェのことを指しているカフェインレスコーヒーです。
2.デカフェ
デカフェは、カフェインを含んだ状態から、カフェインを除去したカフェインレスコーヒーです。除去されるカフェインの量はゼロではありませんが、極めてゼロに近い状態のものです。
3.ノンカフェイン(カフェインフリー)
本来ノンカフェインとは、生成された状態から全くカフェインを含んでいないモノのことを指します。カフェインフリーは、ノンカフェインと同じ意味です。麦茶やハーブティーはノンカフェイン飲料です。
ノンカフェインコーヒーの名称の使われ方は、一般的に「デカフェ」と同じように使われてしまっています。本来ノンカフェインは、先ほどご説明した通り、「生成された状態から全くカフェイン含まないモノ」のことを意味しているはずなのですが、なぜなのか不思議なところです。
デカフェをノンカフェインと言ってしまっている世の中は、デカフェの中に残っているカフェインで大きな事故が起きてニュースにでもならない限り、変わらないのかもしれません。2019年12現在は、ノンカフェインコーヒーのカフェインの含有量に関する規格が決まっていません。
そのため現段階では、ノンカフェインやカフェインフリーと記載されていても、デカフェかもしれないの疑念を持ち、商品詳細などを見るなりして確認しましょう。
カフェインを除去する3種類の方法

1.有機溶媒抽出法
生豆を蒸気で膨潤させ、有機溶媒(ジクロロメタン)を使ってカフェインを抽出します。この抽出方法の問題は、「ジクロロメタン」という発がん性の高い物質を直接コーヒー豆に接触させる点です。
もしジクロロメタンが微量に豆に残留していたとしても、健康被害をもたらす量ではありません。とは言っても、身体に良くないものなので気になります。
日本では、ジクロロメタンを利用する有機溶媒抽出は禁止されています。そのため国内製品の飲み物などでは、全く気にしなくて大丈夫です。ただし、海外ではコストが安いこの方法が取り入れられていることが多く、海外旅行でノンカフェインコーヒーは控えた方が良さそうです。
2.ウォータープロセス(水抽出法)
有機溶媒の代わりに、水を利用してカフェインの抽出をします。
コーヒーのカフェイン以外の成分で飽和させた水にコーヒー生豆を浸すことで、カフェインだけを水に抽出します。味や安全性を保ち、かつ低コストでカフェインを取り除ける方法として、日本ではこの抽出方法が主流です。
スターバックスコーヒやタリーズコーヒーなどでは、ウォータープロセスを使ってデカフェコーヒーを販売しています。
3.超臨界ニ酸炭素抽出法
最も新しい抽出方法の超臨界二酸化炭素抽出は、超臨界流体の状態にした二酸化炭素でカフェインを抽出します。
この抽出方法はカフェイン以外の成分を損なうことなく抽出できるため、コーヒーの風味を損なわず美味しさが保てます。最もおいしく、最も安全に抽出できる方法ですが、時間と手間がかかる分コストが高くなるのがデメリットです。
スターバックスでは、2017年からコーヒーの商品ラインナップに取り入れられています。
安全でおいしいカフェインレスコーヒー選び3法則

1.生産国が日本国内の商品
コーヒー豆は海外でも問題ありませんが、国内で生産されている商品を選びましょう。日本で販売されているノンカフェインコーヒーは、薬品を使用したカフェインの抽出を禁止しているため、極めて安全性が高い商品が多いです。
2.カフェイン含有量
カフェインレスコーヒー(ノンカフェインコーヒー)は、カフェインがゼロではありません。カフェインを「0.00%」することが技術的に難しく、微量に含まれている商品がほとんどです。
また日本では、ノンカフェインコーヒーのカフェインの含有量に関する規格が決まっていません。0.1%以下の残留率が低いものから、3%前後含まれているものまで幅広く販売されています。
残留率の低いノンカフェインコーヒーを手に取るようにしましょう。
3.美味しく、安全なのは二酸化炭素抽出
ノンカフェインコーヒーの味は、使用している豆と同じくらい抽出方法が大事になってきます。抽出方法のやり方によっては、カフェイン以外の成分も取り除かれてしまい、コーヒーの持つ香りや味が損なわれてしまいます。
コーヒー豆の種類には好みがあると思いますが、一般的にノンカフェインコーヒーの抽出方法は、「二酸化炭素抽出」が最も美味しいです。
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