バナナを1週間以上長持ちさせる、4つの保存方法。バナナの食べ頃を表す皮の7色の変化

食品バナナ

バナナを1週間以上長持ちさせる、4つの保存方法

知らない人が多いかもしれませんが、日本で一番食べられている果物はバナナなんです。なぜ、バナナはたくさんある果物の中で、最も日本人に愛されているのでしょうか。

その人気の理由は栄養満点で、時間がない朝などにも、皮をむくだけで簡単に食べることができ、値段が手ごろだからなどが考えられます。また人間とバナナのDNAの50%が、同じであることも関係しているのかもしれません。

そんな人気のバナナにも弱点があります。それはバナナを常温保存すると、実が熟してしまうのが早く、他の果物に比べると早く傷んでしまいがちなところです。

しかし、バナナの弱点は保存方法を工夫するだけでカバーすることができ、驚くほど長い時間保存し、おいしく食べることができます。それでは、バナナを長持ちさせる4つの保存方法をご紹介していきます。

バナナを房から切り離し、一本ずつにする

バナナの熟され方の違い

バナナが日持ちせず黒くなってしまう原因は、エチレンガスの影響です。バナナは、房の状態だと互いのエチレンガスの影響で、熟して黒くなるのを早めてしまいます。それを防ぐためには、バナナを房から切り離して、一本ずつに分けることで長持ちさせることができます。

バナナを一本ずつ単独で保存すると約5日で黒くなるバナナが、約1週間まで長持ちさせることができます。

バナナを房から1本ずつ分けて、熟すのを遅らせたが、やっぱりバナナを早く熟させて食べたくなったら、リンゴの隣にバナナをおいてください。するとリンゴから放出される多量のエチレンガスで、バナナが熟されるので、緑がかった食べごろでないバナナでも、すぐに食べごろのバナナに変化します。

バナナの根元部分(房)をラップでくるむ

バナナの房をラップでくるむ

2つ目の保存方法は、バナナの根元部分(房)をラップでくるむ方法です。そうすることでバナナが熟すスピードを遅らせるの効果があります。やり方は簡単で、バナナの房をご家庭にあるラップでしっかりときつく巻きつけるだけです。

バナナの房ごとラップをしても効果はありますが、房から1本ずつ分けてラップをした方がバナナの熟すスピードを遅らせる効果が高くなります。

バナナを冷蔵庫に保存する

3つ目の方法はバナナを冷蔵庫の5~10度の野菜室に保存することで、バナナ自身から発生するエチレンガスの量が減り、追熟のスピードを遅らせることができます。

1ヶ月ぐらいの目安の長期保存をするなら、冷凍庫がオススメです。そのままバナナを冷凍庫に保存すると、解凍して食べるときに扱いづらいので、バナナをペーストやみじん切りにすると、解凍したときの使い勝手が格段に上がります。

バナナを50度のお湯につける

バナナを50度のお湯につける

4つ目の方法は、50度のお湯に短時間つけることで、バナナが約2週間ほど長持ちさせることができます。バナナにとって50度のお湯は、強いストレスです。そのストレスを跳ね返そうとして、バナナから「熱ショックタンパク質」という物質が発生します。

この物質のおかげで、通常のバナナよりも約3倍も日持ちするようになります。また常温状態で保存したバナナは熟してくると黒く変わりますが、50度のお湯につけたバナナは黒くなりません。これは、 熱ショックタンパク質による影響です。

NHKの「ためしてガッテン」で紹介されていた、50度のお湯につけるバナナの保存方法の手順です。すでに黒く熟してしまったバナナでは、効果がありません。番組の検証実験では、2週間以上長持ちしていました。

通常より3倍も長持ちさせるバナナの手順

  1. バナナを房から1つずつ分ける
  2. バナナを皮のまま、40~50度前後のお湯に5分ぐらいつける
  3. バナナをお湯から取り出して、1時間室温に置き冷ます
  4. バナナをビニール袋に入れて、冷蔵庫の野菜室にいれる

バナナが好きなみんなの理由

スーパーで売られているバナナ

総務省の統計調査によると2004年にみかんを抜いて以来、15年連続でバナナが日本で一番食べられている果物なことがわかりました。消費動向調査では、バナナを食べる理由として下記の理由が挙げられていました。

  1. 値段が手ごろ(59.6%)
  2. 健康に良い(57.7%)
  3. おいしいから(50.9%)
  4. 栄養に優れている(40.2%)
  5. 食べやすい(36.4%)
  6. 腹持ちが良い(29.4%)
  7. 消化が良い(22.0%)
  8. 便秘解消(16.6%)
  9. お菓子の代わり(13.9%)
  10. ダイエットに良い(7.9%)

バナナ・果物消費動向調査

バナナの優れた栄養素

房つきバナナ

炭水化物(糖質)

果物の中で一番炭水化物が含まれていてます。またブドウ糖、果糖、ショ糖という3種類の糖質が含まれています。

食物繊維

水溶性の食物繊維が含まれていて、便の水分をふやしてゼリーのようなやわらかい状態にしたり、有害物質を吸着して体外に運ぶ役割、さらに腸内の善玉菌を増やす働きがあります。

ビタミンB群

ビタミンB1やB2が、他の果物よりはるかに多く含んでいます。

ミネラル

他の果物をおおきく引き離すほど、多くのカリウムとマグネシウムが含まれています。

バナナには、他の果物にはないほど高い栄養分を含んでいます。そのバナナの栄養分の最大の特徴は、炭水化物とビタミンB群が一度にとることができる点です。

私たちの体は炭水化物だけでも、ビタミンB群だけでも、エネルギーとして吸収することができません。炭水化物とビタミンB群が一緒に吸収されることで、はじめて体内のエネルギーへと変わります。

その両方の栄養分を含むバナナは、バナナ単体の一種類を食べるだけで、私たちはエネルギーにすることができる、素晴らしい食べ物なのです。

またバナナには、免疫システムを増強する作用のあることが、帝京大学薬学部の山崎正利教授の研究で明らかになりました。

研究によるとバナナの成分は、免疫システムで必要不可欠な役割を果たす「白血球」の機能を増強します。白血球が活発に働くと風邪を引きにくくし、動脈硬化やガンなどの、各種成人病にもなりずらくなることがわかってきました。

バナナの食べごろを表す皮の色

バナナの食べごろを表す皮の色

緑色

農園から出荷されて、輸入している日本などの国に到着したときのバナナの皮の色です。皮は固く甘みはほとんどありません。黄色いバナナには日本に生息していない虫が寄生しているおそれがあるため、青い状態のままで輸入することが法律で決められています。

濃い黄緑色(淡い緑色、わずかに黄色み)

バナナの熟成が始まっています。でんぷん質は、徐々に糖質に変わっていきます。

淡い黄緑色

季節や地域によっては、お店にバナナが出荷されるタイミングです。

大半が黄色、一部に淡い黄緑

バナナがお店に出荷されるタイミングです。

全体に黄色、両端は淡い黄緑

バナナがスパーなどの店頭に並び始めることです。この時期のバナナは酸味のあるさっぱりした甘みです。

バナナには胃で消化されにくいフラクトオリゴ糖が含まれていて、そのまま腸まで届き、善玉菌のエサとなって腸内環境を改善し、健康な腸の働きを保ちます。

完全に黄色

バナナに十分な甘みがあり、バナナらしい味わいになります。

バナナにはビタミンB2、ナイアシン(ビタミンB3)、ビタミンB6のビタミンB群が豊富に含まれているので、体内の脂質や糖質、たんぱく質などのエネルギー代謝に欠かせません。身近な食品で最も高い抗酸化力を持つバナナはアンチエイジング効果も期待でき、美肌対策にはかかせません。

黄色、所々に茶色の斑点

バナナが完全に熟した状態です。とても甘く、風味豊かでなめらかな食感です。

茶色の斑点(シュガースポット)が表面に出たバナナは、熟し切った証拠です。免疫力を高めたり、胃の粘膜を保護する効果が期待できます。