炭酸水の美容効果や疲労回復など5つの効能。歯への影響やおならのデメリットも紹介

食品炭酸

炭酸水

コーラやジンジャーエールなどの炭酸飲料は、私の子どものころ(40年前ぐらい)からの人気の飲み物です。ポテトチップスとコーラは、「至福のときを与えてくれる王道の組み合わせ」です。

ちなみに炭酸飲料が初めて日本に来たのは、ペリーの浦賀来航(1853年)のときらしいです。そう考えると、ずいぶん前から炭酸飲料ってあったんですね。

そんな大昔からある炭酸飲料ですが、近年の消費が右肩上がりで、人気炭酸飲料の一つとして仲間入りした飲み物があります。それは、今回ご紹介する「炭酸水」です。

この記事では炭酸水や炭酸飲料のメリットとデメリットをご紹介します。

炭酸水の効能が認知され始めてきた

炭酸水の効能が認知された

炭酸水は、昔からヨーロッパやアメリカで、日常的に水の代わりとして飲まれている飲料水でが、何でそれが今になって、日本で飲まれるようになってきたのでしょうか。

その理由は、炭酸水が身体に与えてくれる様々な効能を、多くの人が知るようになってきたからです。また日本はというより、世界的に「食」に関する志向が、健康志向になってきたことも関係しているのは間違いありません。

今後、ますます「食」は健康志向が強くなっていき、さらなる炭酸水の認知の拡大が進んでいくと思われます。

そもそも炭酸飲料とは?

水と二酸化炭素だけで作られたものが「炭酸水」、その炭酸水に甘味料などの食品添加物を加えたものが、コーラやサイダーなどの「炭酸飲料(=清涼飲料水)」です。

炭酸水と炭酸飲料の違いは、食品添加物が入っているか否かです。炭酸水は、水と二酸化炭素だけで作られているので糖分などは含まれていません。

一方炭酸飲料は、甘み(=アステルパーム)や匂い(=香料)、色(=着色料)や中毒性を持たせるカフェインなどの様々なものが含まれています。炭酸飲料の種類は、甘みや匂いなどの食品添加物を調整することで、多種多様なものがあります。

炭酸水の5つのメリット

炭酸がはじける炭酸水

1.美容効果やダイエット

炭酸水は、体の中に入ると炭酸ガス(二酸化炭素)が血管の中に入り込み、血管内が酸素不足になります。一見身体に悪いように感じますが、酸素不足になった血管内では、血管を広げてたくさんの酸素を送り込もうとするため血流が増加します。

このとき血管の状態は、人間が走っているときと同じ状態になります。

体のいたるところの毛細血管の血行が促進され、体の隅々まで酸素や栄養分がしっかりと運ばれていきます。 この結果、新陳代謝が活性化されて肌のターンオーバーも加速し、肌が引き締まってキメのある肌になっていきます。 海外の女性がきれいなのは、この炭酸水効果なのかもしれません。

また炭酸水は、食前や食事中にコップ一杯(目安200cc)ぐらいを飲むことで満腹感を与え、食事量を減らす効果があるので、ダイエットをしたい方にはオススメです。炭酸水で満腹感を感じる理由は、体の中に入った炭酸水が胃の中でガスになり、胃を膨らませて刺激するためです。

2.疲労回復

炭酸ガスは、体内に溜まった疲労物質である乳酸を積極的に体外に排出し、疲労回復を促進させる効果があります。

元々人間の体には、このような疲労物質を除去する仕組みがありますが、運動量が多くなるとこの働きが鈍くなります。炭酸ガスは、その働きを活発化させてくれる優れものなんです。

3.健康効果

美容効果だけでなく、健康効果もあります。血流が良くなっての健康効果を一つ上げると、肩こり解消です。

肩こりの原因は、その多くが血行不良です。炭酸水を飲むことは、二酸化炭素を体内に取り入れることになり、酸素の供給を活発化させ、血行を促進します。 その結果、肩こりを楽にしてくれます。

4.胃腸の状態を整える

炭酸水の炭酸ガスは胃に入ると、炭酸ガスの刺激により胃の粘膜を活発にしてくれます。そのため消化機能が促進され、さらに炭酸ガスが腸に届くことにより、蠕動運動(ぜんどううんどう)が行われ消化活動が活発になり、便通の促進にもつながります。

蠕動運動:筋肉が伝わることで収縮波を生み出す運動

5.植物が元気になる

植物に炭酸水

炭酸水は土を豊かにして、成長を促進するリン酸や他の栄養素が含まれています。加えて最近のアメリカの大学の研究では、植物に炭酸水を与えると芽の成長が通常の170%にも増えたそうです。

また炭酸水を与えられた植物は、葉っぱの緑の色合いも良くなるようです。
※ちなみに水道水の場合は67%増えた検証データだそうです。

炭酸水の3つのデメリット

炭酸水のデメリット

炭酸水には注意する点がありますが、基本的に飲み方さえ注意すれば、そのデメリットは防ぐことができます。頭の片隅に炭酸水の知識として、入れておいてください。

1.食欲増進

炭酸水のメリットでは、満腹感を与えると説明しましたが、飲む量が少ないと、逆に食欲がわいてしまいます。

少量の炭酸水は、胃が触発されてしまい消化のための準備をはじめ、食べ物を欲しがり空腹感が増し、食欲増進につながります。食前に飲む場合は、最低でも250cc以上の常温の炭酸水を飲むことを心掛けましょう。

2.疲労しやすくなる

炭酸水のメリットでは、消費するエネルギーの増大や血行が良くなることで新陳代謝を向上させ、また疲労回復させると説明しましたが、炭酸水を飲み過ぎた場合は、身体が疲れやすくなってしまいます。

理由は、炭酸水を飲み過ぎると、身体は酸性に近づいていきます。すると代謝が悪くなり、逆に疲れやすくなってしまうためです。

3.むくみやすくなる

炭酸水の飲みすぎると、リン酸や糖分などが体内のミネラルバランスを乱してしまったり、血流を悪化させたりしてしまいます。その結果、身体がむくみやすい状態になってしまいます。

ただ無糖の炭酸水であれば、気にしなくても大丈夫です。加糖の炭酸水を飲むときは、飲む量に注意してください。

炭酸飲料の2つのメリット

様々な種類の炭酸飲料

1.清涼感、爽快感が得られる

何といっても、口に入れたときの瞬間がたまらないですよね。気分リフレッシュって感じでしょうか。

2.消化を促進する

炭酸飲料は血管を拡張させるため、血流が促進します。胃や腸の働きも活発になり、便秘改善にも効果があります。

炭酸飲料の5つのデメリット

炭酸飲料のデメリット

1.老化が進む

カリフォルニア大学サンフランシスコ校のElissa Epel博士のチームによると、 「炭酸飲料を日常的に飲む習慣を持つ人は、飲まない人に比べて免疫細胞が2年半も老化している」ことがわかりました。 毎日炭酸飲料を500ml飲むと喫煙者並みに老化が進む驚くべき研究結果です。

2.歯に悪影響を与える

炭酸水が、 歯を溶かすことはあまりありません。 しかし、レモンやグレープフルーツなどの柑橘系のフレーバーの炭酸飲料はクエン酸が加えられている場合が多く、この場合は注意が必要です。

酸蝕歯(さんしょくし)という言葉を知っていますか。

酸蝕歯は、虫歯や歯周病の次に歯を失ってしまう原因の一つです。クエン酸が酸蝕歯を引き起こしてしまい、歯を溶かしてしまいます。

口腔内の平均的なpHは中性で6.5~7で、多少酸性に傾いても唾液により中和されるので問題ありません。しかし、この値がpH5.5を下回ってくると、歯の表面のエナメル質が徐々に溶けてきてしまい、酸蝕歯を引き起こしてしまいます。

柑橘系のフレーバーの炭酸飲料は、3.5ph~4.0以下で酸性度が高く、これらを日常的に飲んでいる人は、飲む頻度を少なくしましょう。体に良いとされるクエン酸が、歯には良くないことがあるのは驚きです。

3.肥満・糖尿病の確率が高まる

果糖を多く含む清涼飲料水は、日常性がありかつ大量に摂取することができ、また炭酸飲料は食物繊維を含まないため一気に吸収されやすく、 メタボリック症候群になりやすいです。

炭酸飲料水は、 ブドウ糖果糖液糖や砂糖がたくさん入っているものが多く、「ブドウ糖果糖液糖」は、他の果糖ブドウ糖液糖や高果糖液糖などと合わせて「異性化糖」と呼ば れています。

砂糖の主成分はショ糖(スクロース)ですが、このショ糖はブドウ糖と果糖が1対1で結合したもので、この結合は小腸内で短時間に分解されるため、砂糖とブドウ糖果糖液糖は人体にとって似たような影響があると考えられています。

異性化糖は以下の様な特徴を持ってい ます。

  • 低温時に甘みを感じやすく、冷やして食べる食品に使われやすい
  • 砂糖に比べて甘みが強い
  • 砂糖に比べて口に甘みが残りにくく、さっぱりする
  • 砂糖よりも安い
  • 常温で液状なため粘性が少なく、輸送や貯蔵がしやすい

ブドウ糖の摂取は血糖値の上昇につながります。通常この濃度はインスリンなどによって一定に保たれていますが、大量のブドウ糖摂取などによって過度に上昇した場合には肥満や糖尿病につながりやすくなります。

4.おならが出やすくなる

炭酸水の飲んだ後にゲップをした経験はりませんか。 そのゲップの正体は炭酸水に入っている二酸化炭素のガスです。炭酸水に入っているあの泡が、 胃の中に入ってガスを充満させ、胃の中をガスでパンパンさせます。

胃の中は、 空気を入れている風船と同じです 。風船の場合はパンクしますが人間の場合はゲップ 、またはおならとして出てきます。

5.脳の働きが悪くなる

コロンビア大学の研究者たちは、2000人以上を7年間追跡した研究結果から、炭酸飲料を多く取る人はアルツハイマー病にかかるリスクが高まる可能性が確認されました。

オーストラリアの科学者が行ったマウス実験では、炭酸飲料などの「甘味飲料」を長期間、日常的に飲み続けていると、脳がダメージを受け、行動障害まで引き起こす可能性が示されました。

砂糖にはアルコールのような「常習性」があることから、 日常的に炭酸飲料を飲み続けている人がいたら、一度その習慣を見直してみた方が良いかもしれません。