数の子の塩抜き方法で、料理の味が決まる!薄い塩水と時間に注意するだけで、美味しくなる

料理

上手な数の子の塩抜き方法を伝授

スーパーやコンビニ、デパートなどで販売されている数の子の多くは、塩漬けの数の子です。その塩漬けされた数の子を調理するには、「数の子の塩抜き」が必要です。

塩抜きをしないで作る数の子の料理は、塩辛さがとてつもなく、普通の人は食べられません。ごくまれに、酒のつまみにチビチビする人もいますが…。

数の子料理は、「数の子の塩抜きが、その料理の味を決める」といっても言い過ぎではありません。塩抜きがうまくできないと、苦味やえぐみが出てしまい、数の子料理がおいしくなくなってしまいます。

そんな取り扱いの少しめんどうな数の子ですが、上手にできる数の子の塩抜き方法や時短方法など、数の子についての気になる情報をまるっとご紹介します。

そもそも数の子とは?

ニシン

数の子は、ニシンの卵です。その歴史は古く、室町時代の足利将軍が数の子を食べたという文献が残っています。そのころは、お正月のおせち料理以外に、結納などのめでたい席(ハレの日)で、数の子がふるまわれていました。

江戸時代になると数の子は、庶民の間で普通に食べられるようになりました。その理由の一つには、北海道の開拓が進むにつれてニシンの漁獲量が増え、それとともに数の子の生産量が増えたためだと考えられています。

しかし、ニシンは昭和30年以降になると、全く取れなくなりました。海流の変化や乱獲などが影響したと考えられていますが、その詳細は明らかになっていません。

ニシンの漁獲量が減るとともに、ニシンの価値は高まり、数の子は高級食品として取り扱われるようになりました。現在流通している数の子のほとんどは、ロシアやカナダ、アラスカで獲れたものです。

高級食品と言っても、数の子は世界中で食べる習慣がほとんどありません。そのため昔も今も、数の子は日本が世界一の消費国です。

数の子が塩漬けされる理由

スーパーなどで販売されている数の子の多くは、塩漬けされています。他の食品と同じように、数の子も冷凍保存できればいいのですが、冷凍保存すると食感が柔らかくなってしまい、数の子のコリコリした食感がなくなってしまいます。

そのため数の子のコリコリした食感を残すには、冷蔵で保存する必要があります。冷蔵でその保存期間を長くするには、塩漬けが最も適しているというわけです。昔も今も、数の子の多くはこの方法で生産され続けています。

おいしい数の子選びのポイントは2つ

薄皮がついている数の子を選ぶ

薄皮ついてる数の子

スーパーなどで販売されている数の子の多くは、薄皮がついたまま塩漬けされています。表面に糸のような白いものがついていれば、それが薄皮です。並べられている数の子コーナーのいずれかの数の子にそれが確認できれば、そこに置かれている数の子は、薄皮がついていると考えて間違いありません。

薄皮がついていない数の子は、塩漬けしたものを水につけて塩抜きし、鮮度が著しく落ちている可能性が高いです。数の子を選ぶときは、必ず薄皮がついているものを選びましょう。

黄色い数の子

数の子は、元々深みのある黄色い色をしています。しかし、見た目の良さを重視した鮮やかな黄色の数の子が、店頭に並らんでいます。特にお歳暮や贈答用に売り出されるものは、この類の数の子が多い傾向です。

これらの数の子は、漂泊して白っぽくすることで、見た目の鮮やかな黄色の数の子にされています。漂泊された数の子は、数の子の卵が弱ってしまうため、コリコリした食感が損なわれてしまいます。

数の子を選ぶときは、無漂泊の数の子を選びましょう。

上手な数の子の塩抜き方法

1.数の子を水につける

大きめのボウルなどの容器に水1リットル、小さじ1杯ほどの塩を入れて溶かします。
その中に数の子を入れます。(数の子の量は、300~400グラムぐらいが目安。)

2.水を取り換える

8時間おきを目安に塩水を取り替えましょう。それを3回繰り返し、24時間かけて塩を抜きます。塩水を交換するタイミングで、数の子についているうすい皮を取りましょう。

24時間経ち塩が抜けたら、お好きな調理法で数の子を料理してください。
数の子は、大きさによって塩抜きの時間が異なります。そのため時々味を確認するようにしてください。24時間経っても塩が抜けていなければ、味をみながらもう一度行ってください。

数の子の塩抜きは真水ではなく、薄い塩水を使う

数の子は、卵の一つひとつに塩分がついているので、水に浸けるだけでは塩抜きはできません。理由は、浸透圧によるものです。そのため数の子の塩抜きは、薄い塩水で行わないとうまくできません。

数の子についているうすい膜(皮)は、最初に取らないで大丈夫です。塩水に浸けている間に、皮がむきやすくなるので、塩抜きをしている途中に取り除きましょう。最初に膜を取ってしまうと、身が崩れてしまうことがあります。

数の子の塩を抜きすぎてしまった場合の対処法

数の子は塩を抜きすぎてしまうと、苦くなってしまいます。塩を抜きすぎてしまった場合は、ボールなどの容器に好みの塩加減で数の子を漬けて、冷蔵庫にいれておきましょう。漬けておく時間の目安は、45~90分ぐらいです。

数の子簡単おすすめレシピ3つ

1.数の子キムチ和え

数の子キムチ和え

<調理方法>

  1. 貝割れ大根1パックの根を切り取り、水洗いした後に耐熱ボウルに入れてラップし、電子レンジ500wで1分30秒加熱。火が入ったら冷まして、水気を絞ります。
  2. 数の子(適量)を5~10ミリの角切ります。
  3. 汁気を絞った白菜キムチ(適量)を食べやすく切り、数の子、かいわれ大根と混ぜたら完成です。

2.数の子としめじの辛子マヨサラダ

数の子としめじの辛子マヨサラダ

<調理方法>

  1. ぶなシメジは、石づきを切り取り(小房にほぐす)、人参は細い千切り(皮ごとでOK)にし、ぶなシメジと人参の両方を耐熱ボウルにいれて、ラップして電子レンジ500wで5分加熱。
  2. 加熱後、熱いうちに5センチの長さに切った小ねぎを加え、余熱で火を入れます。
    ※その後ザルにあげ水気を切り、冷ましておきます。
  3. ボウルにマヨネーズ、からし、おろしニンニク、あらびきブラックペパー、すし酢、粉チーズを入れ、冷ました「2」を加えて混ぜます。ここに5ミリ幅に切った数の子を加え、混ぜたら完成です。

3.おせちの数の子(追い鰹だし)

おせちの数の子

<調理方法>

  1. ボウルに、水1リットルと塩小さじ2/3を入れ、薄い塩水を作ります。塩数の子を入れて浸し、2時間毎に2、3回を目安にして塩水を取り替えます(計6~8時間)。
  2. 鍋に、だし汁:300cc、みりん:大さじ2、酒:大さじ2、薄口醤油:大さじ2の材料を全てを入れ、沸騰させます。沸騰後、鰹節を入れて火を止めます(追い鰹)。冷めたら、ざるにキッチンペーパーなどでこしてタッパーに入れておきます。
  3. 数の子は塩が抜けたら、白くて薄い膜を丁寧に取り除きます。数の子の水気をキッチンペーパーで拭き取り、さきほど追い鰹だしのタッパーに入れて、冷蔵庫内で一日以上漬け込んだら完成です。

その他の数の子の簡単レシピ

  • お通し
    数の子に醤油、砂糖、かつお節、味の素などをふりかけて完成
  • サラダ
    数の子を小さくちぎり、野菜を入れてマヨネーズやドレッシングで和えれば完成
  • おつまみ
    少し塩辛い数の子には、大根おろしを添えて完成