固まった「塩」、「砂糖」をサラサラにする!湿気と乾燥がカチカチになる原因
調味料の基本は、「さしすせそ」である砂糖、塩、酢、醤油、みその5種類です。この中で最もよく使われている調味料は、「塩」と答える人が多いのではないでしょうか。
そんな定番中の定番の塩ですが、料理中に使おうと思ったら、塩や砂糖がカチカチに固まっていて使いづらい、または使えなかった経験をしたことはありませんか。そんなときは、ご紹介する固まった塩や砂糖を簡単にサラサラにする方法を試してみてください。
また塩や砂糖は、他の調味料に比べて使う頻度が高いので、常に使いやすい状態にしておきたいですね。そのためには、塩や砂糖と一緒にあるものを入れておくと、固まらないようになります。
塩や砂糖が固まってしまう原因を理解して、正しい保存方法をご紹介します。
なぜ、塩が固まる?
塩が固まる原因は、「湿度」です。
いつの間にか塩が、カチンカチンに固まってしまうことがあります。これは塩を保存している容器に水分が入り込み、その水分よって塩が固まってしまいます。塩には「にがり」と呼ばれる成分が含まれていて、それが多く含まれているほど、空気中の水分を吸収してしまう性質を持っています。
もう詳しく正確に説明すると、湿度が高いとき、塩は空気中の水分を吸収して溶けていますが、この状態が続いると塩はサラサラの状態を維持し、固まることはありません。「えっ、上の話と違うじゃん!」と思ってしまいますが、最後までお聞きください。
逆に湿度が低いときは、塩の表面から水分が蒸発され、結晶を作ります。この場合もこの状態が持続すれば、塩は固まりません。
ではどの状態が続くと、塩が固まるかというと、湿度の変化が繰り返された場合に限り、塩は固まります。「湿度が高くなって塩が溶ける」、「湿度が低くなって結晶が作られる」の繰り返しが起こると、サラサラだった塩は、徐々に大きな塊へと変わっていってしまいます。
春夏秋冬の季節の変化による部屋の湿度の変化、塩を使うときに開け閉めする密閉容器内の湿度の変化により、知らぬ前に私たちが使っている塩は、ゆっくりと固まってしまいます。
固まった塩をサラサラにする方法
先にも説明したように塩が固まる理由は、塩の結晶と溶けた塩がくっついて固まってしまうからです。塩をサラサラにするには、塩が溶けてくっついてしまった原因である水分を、飛ばしてあげれば元のサラサラの塩に戻ります。
固まった塩をサラサラにする際は、固まった塩を砕いて小さな塊にしてから行うと効果的です。また塩の水分を熱で飛ばした場合は、しっかりと冷ましてから、容器に移してください。塩に熱が残っていると、また塩が固まってしまいます。
フライパンで炒る
フライパンで焦げないように弱火で塩を炒ると、吸収された水分を飛ばすことができ、サラサラの塩に戻ります。このとき油はひかずに、乾煎りしてください。またフライパンで炒るときは、少量の酒を加えてから炒ると、風味豊かな炒り塩ができます。
電子レンジで加熱する
耐熱皿に塩を入れて平らにし、ラップをかけないで、2~3分電子レンジで加熱してください。ラップをかけてしまうと、水分が飛びません。
パスタと一緒に保管する
ペンネやマカロニなどのパスタを固まった塩の容器に入れておくと、サラサラの塩にすることができます。パスタには、水分を吸収する効果がある性質があるためです。塩の量にもよりますが、2日間ぐらいいれておくと、サラサラの塩に戻ります。
炒った米と一緒に保管する
炒ったお米を固まった塩の容器に入れておくと、サラサラの塩にすることができます。お米の成分であるデンプンは、加熱されると水分を吸収する性質を持っているためです。
お湯で溶かして火にかける
完全に固まってしまった塩は、フライパンで炒っても、電子レンジをしても、パスタや炒った米と一緒に保存しても、元には戻りません。そんなときは、固まった塩を水やお湯で溶かし、そのまま火にかけて煮詰めると、サラサラの塩にすることができます。
塩を常にサラサラの状態で保存する方法
塩をサラサラの状態に保つためには、とにかく湿気に触れさせないことが一番です。塩の入った袋のまま保存せず、プラスチックやガラス容器など密閉できるものに移して保管しましょう
米や食パンをちぎったものを入れて保存すると、米や食パンが湿気を吸ってくれるので、サラサラ状態を長く保存することができます。保存場所は、高温多湿の場所を避けましょう。私の家では、フライパンで炒った米を食卓塩の中にいれて保存しています。
また塩には賞味期限がありません。塩は食品衛生法によって、賞味期限を定めなくて良いとされています。
塩が腐らない理由は、浸透圧によって、雑菌が繁殖しにくくなる状態を保てているためです。浸透圧とは、濃度の異なる液体が同じ濃度になろうとする力のことを言います。
塩分濃度の高い塩の中に雑菌が入っても、生物の細胞膜は半透膜なので、浸透圧現象が起こり、雑菌の体内水分が奪われてしまい、雑菌は死滅します。なめくじに塩をかけると溶けてしまうのは、なめくじの体から塩へと水分が移動してしまうから、まさにこれが、浸透圧の働きです。
塩は正しい保存方法をすることで、長期間に渡って保存することができる食品です。
なぜ、砂糖が固まる?
砂糖が固まる原因は、「乾燥」です。
砂糖の白い結晶は、元々くっつきやすい性質をもっています。そのため製造工程の最後で砂糖をサラサラに保てるように水分(糖蜜または転化糖:糖分を含んだ液体)を吹きかけます。糖蜜は、砂糖の結晶をコーティングすることで、砂糖同士の結晶がくっついて固まらないようにします。
砂糖は乾燥すると、糖蜜から水分が減って結晶化してしまい、砂糖の結晶同士がくっついて固まってしまいます。
固まった砂糖をサラサラにする方法
霧吹きを使う
砂糖に水の入った霧吹きで、ひと吹きするだけです。霧吹きの水によって固まってしまった砂糖の乾燥が、元に戻る仕組みです。霧吹きをした砂糖は、4時間もすればサラサラの砂糖に戻ります。霧吹きをしすぎてしまうと、砂糖が溶けてベトベトになってしまうので注意してください。
食パンと一緒に保存する
食パ1枚を砂糖の入っている容器に入れて保存するだけです。食パンの中の水分が、固まった砂糖の乾燥を緩めてサラサラの状態に戻してくれます。
目安の時間は6時間ぐらいです。食パンを容器に入れっぱなしにすると、カビが生えてしまうので必ず取り出しましょう。
キッチンペーパーを容器と蓋の間に引く
湿らせたキッチンペーパーを容器の蓋の下に付けます。そうすることでキッチンペーパーの水分が、砂糖の乾燥を緩和し、砂糖をサラサラにしてくれます。キッチンペーパーは、水が垂れない程度に湿らせてください。目安時間は、4時間ぐらいです。
砂糖を常にサラサラの状態で保存する方法
砂糖をサラサラの状態に保つためには、とにかく乾燥させないことが一番です。
砂糖の入った袋のまま保存せず、プラスチックやガラス容器など密閉できるものに移して保管しましょう。未開封の砂糖の袋のときでも同じです。袋には空気の出入りできる穴が開いていて、水分が入り込んでしまう可能性があるからです。
砂糖は、密閉容器に入れると湿度によるダメージが少なくなります。冷暗所におくと、日光があたることもなく温度の変化も小さくなります。
砂糖は乾燥によって固まるため、冷蔵庫での保管は適していません。冷暗所と言っても極端に気温が低い必要はなく、直射日光の当たらない、比較的キッチンの中で室温が低くなる場所で保管しておければ大丈夫です。
また保存する密閉容器には、パンをちぎって入れておいたり、ヨーグルトなどに付いてくる粒状の砂糖を混ぜておくと固まらりづらくなります。
砂糖には、塩と同様に賞味期限が設定されていません。これは砂糖が、食品表示基準において「品質の変化が極めて少ないもの」と認められているためです。
いくつかその理由はありますが、一番の理由は吸湿性の高さです。砂糖は非常に吸湿性の高い食品であるため、バクテリアや細菌が生存しにくい環境を自ら作っています。
砂糖は正しい保存方法をすることで、長期間に渡って保存することができる食品です。
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