換気に必要な時間は5分でOK!空気の入れ替え頻度、部屋に窓が一つの場合はどうすれば?

健康空気

理想的な空気の入替え方法

みなさんは部屋の換気を行っていますか?

部屋の窓を開けて空気の入替えは、春や秋は室内と外の温度差が小さいため、窓を開ける時間が長くても気になりません。しかし、夏や冬の季節はいかがでしょうか。

気温の上がる夏は部屋を冷やすために冷房、逆に気温が下がる冬は部屋を暖めるために暖房を使って、室温を快適に過ごせるために調整します。夏や冬の季節に部屋の室温を快適に調節した後は、誰もが換気をしたくありません。

なぜなら、せっかくエアコンで部屋の温度を快適にしたにもかかわらず、窓を開けてしまう(換気をする)と、一時的に快適な部屋の環境が失われてしまいますから。

しかし、私たちが過ごしている部屋の空気は、換気をしないと想像以上に汚れていきます。そのために定期的な部屋の空気の入れ替えは、絶対に必要な作業です。

また換気をして新鮮な空気を取り込むことで、様々なメリットがあることをご紹介します。

部屋の空気は、想像以上に汚れている

室内の空気は、非常に汚れていることを知らない人が意外と多いです。この事実を知らない人は、おそらく換気の重要性も知らないかもしれません。

室内の空気には花粉や黄砂、排気ガスなどを外から持ち込んでしまったり、衣類から出る埃(ホコリ)や繊維クズ、身体から出るフケ、ダニの死骸やフンなどが交じり合い、外気よりも汚れていると言われています。

適度な部屋の掃除やエアコンの掃除を行っていない場合は、とてつもなく汚れている状態になります。こんな部屋に1時間いただけで、体の健康は損なわれていきます。

部屋の空気が汚れる季節は冬

部屋の空気が最も汚れやすいのは、エアコンを利用して部屋を暖め、空気が乾燥している状態のときです。さらに危険なのは暖房の温度を25度以上にしたり、換気をせずに長時間にわたって利用し続けていると、部屋の空気の状態は最悪になります。

冬の最悪な部屋の空気の状態は、2つのことを引き起こします。

一つ目は、風邪ウイルスの浮遊です。風邪ウイルスは湿度の高い状況では、地面に落下してしまいます。しかし、湿度が40%以下になると、風邪ウイルスの水分が蒸発して軽くなるため、エアコンの風や私たちの動きにより、風邪ウイルスは空気中を漂います。

この状態になると、その部屋で活動している人たちが、風邪ウイルスを体内に取り込んでしまい、風邪を引くことになってしまうのは言うまでもありません。

二つ目は乾燥した部屋の空気は、私たちの鼻や喉の粘膜を直撃し、乾燥させます。すると、その乾燥した喉などの粘膜に埃やダニ、風邪ウイルスがつくと、風邪を引きやすい状態になります。

この二つの悪循環が、冬に風邪が流行る理由です。また部屋の空気の汚れによることが原因で、風邪とは関係ない、咳が止まらなくなる(百日咳)などになることもあります。

シックハウスという言葉を知っていますか?

シックハウスとは、頭痛・めまい・吐き気・皮膚障害・鼻炎・呼吸器障害などの健康障害を引き起こす住まいのことを指します。家(住まい)から外に出ると症状が消える場合は、シックハウスの可能性を疑いましょう。

シックハウスの原因は、住まいの建材から放散するVOC(揮発性有機化合物)、かび・ダストなどが考えられています。十分な換気や通風が確保されない部屋では、それらが室内に充満し、家の中で健康を害する可能性を高くしてしまいます。

部屋が汚れていても症状が出ない場合もありますが、人体に何らかの影響していることは否定できません。シックハウスは、ある日突然発症する場合があるため、日常的に注意する必要があります。

換気をする5つのメリット

換気するとこんなにいいことが

私たちは適度に新鮮な酸素を吸わないと、脳の働きが鈍くなってきます。そうなってしまった脳は、物事を記憶する処理が落ちたり、集中力が低下する要因にもなります。そのため勉強や仕事をしているときは、新鮮な空気を取り込みながらすると、脳の働きが効率的になります。

特に生まれたての赤ちゃんがいる場合は、新鮮な空気をたくさん吸わせてあげてください。理由は生後間もない赤ちゃんほど、脳をフル回転させて、今の私たちには考えられないスピードで成長しているからです。

1.新鮮な空気

換気は人の呼吸から出た二酸化炭素や汚れた空気を排出し、新鮮な空気を取り入れます。また料理する際の火器使用の際、新鮮な空気(十分な酸素)は、不完全燃焼を防止する効果もあります。

2.除湿

近年の建物は密閉度が高く、暖房することで生じる結露によるカビの発生、床や壁の傷みが問題になることがあります。湿気のこもった室内の空気の排出は、私たちが生活するために良い環境が保つことができます。

3.除塵(ジョジン:空気中の細かなちりを取り除くこと)

空気中の埃には、有害な雑菌が付着しています。塵埃(ジンアイ:空気中に浮遊している粒状物)を排出することは、衛生環境を良くするだけでなく、埃が排出されるので、掃除する際も楽になります。

4.脱臭

不快感の臭いの原因となるキッチンやトイレは、換気することで脱臭効果があります。またタバコを吸う人がいる場合は、臭いを部屋に残さないようにするために小まめな換気が必要です。

5.温度調節

部屋が暖めすぎたり、冷え過ぎたときは、外気を取り入れることで室温が調整できます。換気は、エアコンの効きすぎた部屋をリセットさせる機能の役割があります。

空気の入れ替えをする時間はどれくらい?

換気する時間は何分?

空気の入れ替え時間はどれくらいが必要か知っていますか。

ネットで検索してみると、ほとんどのサイトやブログでは「30分〜40分」、中には「1時間が理想的」と書かれています。30分の空気の入れ替えは、とても現実的ではありません。快適にしたはずの部屋の温度が、元の温度の状態に戻ってしまいますから。

中西信博(早稲田集中力研究会代表)さんの発表では、よっぽどな豪邸でもない限り、一般的な6〜8畳の部屋なら「5分程度」窓を開ければ、部屋の空気はほぼ全部入れ替わるとのことです。

空気の入れ替えをする理想の頻度は、2時間に1回です。しかし、2時間に1回のペースで、毎日換気をすることは難しいかもしれません。とは言っても、部屋の空気は汚れていくのは確かなので、無理のない範囲で、換気を行いましょう。

換気の回数による誤解

換気回数については、誤解されやすい点があります。「換気回数 2回/時」という言葉は、「1時間の間に2回窓を開けること」と解釈してしまいがちですが、これは間違いです。

換気回数は、室内の空気が一定の時間に入れ替わることをいいます。これは、1時間あたりに室内に流入する換気量を室内容積(床面積×天井高)で割った値です。

理想的な換気方法

換気をする際の窓は対極の2ヶ所、風が通るように開けるのが理想的です。そのとき窓は、全開にする必要はありません。窓をほんの少し、5センチほど開ければ十分です。

もし対極に窓がない場合は、換気扇でも大丈夫です。1ヶ所の窓を開けて、換気扇を回して風を通してください。

エアコンに換気機能はついてない

「エアコンをつけている間は、エアコンが換気をしている」と間違った認識をしている人が多いようです。でも、エアコンには換気機能はついていません。詳しくは、下の記事をご覧ください。

エアコンに換気機能はついてない!空気の入れ替えはどうする?

換気にはサーキュレーターが便利

換気にはサーキュレーターが便利

サーキュレータ―って聞いたことありますか。

扇風機みたいな形をしているので、同じような役割に見えますが、実はその役割は全然違います。サーキュレーターの役割は、空気を循環させることです。

扇風機とサーキュレーターの違い

  • 扇風機:風を体に当てて涼しさを感じる
  • サーキュレータ―:部屋の空気を循環させる(動かす)

換気するときの設置方法

サーキュレータで換気をする

換気するときは、窓側へサーキュレーターを向けて、部屋の空気を外に出すように設置しましょう。サーキュレーターの設置は障害物がなく、水平な床などに置いてください。