低脂肪牛乳は低カロリーなのに太りやすい!牛乳は全部で7種類、成分や栄養がこんなに違う

健康カロリー

私たち人間が牛乳を飲むようになってから、約1万年になります。これまで間ずっと牛乳が愛されてきた理由は、タンパク質やカルシウム、ビタミンや脂質などの豊富な栄養成分を含んでいるからです。

しかし最近のアメリカの研究では、低脂肪牛乳を飲んだ子どもが肥満になりやすいことがわかりました。

一般的に低脂肪牛乳は、普通の牛乳よりも脂肪分が少なく、健康志向の人に好かれている商品のイメージです。味は普通の牛乳よりも、さっぱりしていて、牛乳が苦手な人でも飲みやすく感じます。

そんな太りやすくなる低脂肪牛乳の理由や成分の特徴、また他の牛乳の種類の特徴をご紹介していきます。

牛乳に含まれる成分

牛乳には、人が生きるために必要な栄養分である「タンパク質」「脂質」「炭水化物」「ビタミン」「ミネラル」「カルシウム」「リン」「カリウム」が含まれています。

牛乳のタンパク質の中には、人が体内で作るのことできない8種類の必須アミノ酸が含まれ、その中でも特に、リジンが豊富に含まれています。

牛乳の成分栄養成分表示(100ml当り)
(日本食品標準成分表2015年版(七訂))

牛乳の種類は全部で7種類ある

牛乳パックを手に取って見てください。「牛乳」と一口に言っても、スーパーにはいろいろな種類の牛乳が販売されています。牛乳のパッケージの「種類別名称」には、「牛乳」「特別牛乳」「成分調整牛乳」「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」「加工乳」「乳飲料」の全部で7種類があります。。

あなたは普段どの牛乳を手に取っていますか?

種別生乳の
使用割合
成分
乳脂肪分無脂乳固形分
(SNF)
牛乳生乳100%3.0%以上8.0%以上
特別牛乳3.3%以上8.5%以上
成分調整牛乳8.0%以上
低脂肪牛乳0.5%以上
1.5%以下
無脂肪牛乳0.5%未満
加工乳
乳飲料乳固形分3.0%以上
(公正競争規約による)

食品衛生法に基づく「乳等省令(乳および乳製品の成分規格に関する省令)」より

牛乳

牛乳とは、水や添加物を混ぜたり成分を除去することは一切せず、生乳(牛から搾ったままの乳)のみを加熱殺菌して分類したものをいいます。成分的には乳脂肪分を3.0%以上、無脂乳固形分を8.0%以上含んでいるものです。

特別牛乳

特別に許可を受けた施設(牧場)で作られた一般の牛乳よりも成分的に濃厚なものです。

成分調整牛乳

生乳から乳脂肪分や水分、ミネラルなどの一部を除去して成分濃度を調整したものです。

低脂肪牛乳

乳脂肪分を減じて、0.5%以上1.5%以下の間調整したものです。

無脂肪牛乳

乳脂肪分量を0.5%未満まで減らしたものです。

加工乳

生乳由来の乳製品(バター、脱脂粉乳など)を生乳に加えたものです。乳製品と水以外を加えることは認められていません。

乳飲料

生乳や乳成分を主原料に乳製品以外のものも加えたものです。

一方、生乳から水分や乳脂肪分、ミネラルなどの一部を除去し、成分が調整された牛乳が「成分調整牛乳」です。中でも特に乳脂肪分が、0.5%以上1.5%以下なら「低脂肪牛乳」、0.5%未満なら「無脂肪牛乳」と分類されています。

牛乳は国によって成分が違う

例えばアメリカの牛乳は、「Whole milk」と呼ばれる乳脂肪分3.5~4.0%の全乳、乳脂肪分2%の「Reduced fat milk」、乳脂肪分1%の「Low fat milk」、そして「Skim milk」「Fat Free milk」「Non Fat milk」と呼ばれる乳脂肪分0~0.5%の無脂肪乳 (脱脂乳)に分類されています。

米の「低脂肪牛乳のススメ」でわかった意外な事実

2005年に米国小児科学会(American Academy of Pediatrics,※AAP )と米国心臓協会(American Heart Association ※AHA) は、「2歳以上のすべての子ども」は、肪酸の摂取量を減らして体重増加を予防するため、乳脂肪分1%以下の低脂肪乳あるいは無脂肪乳を飲むことをススメはじめました。

理由はアメリカでは、子どもの肥満が非常に深刻な問題となっているからです。

小児の肥満は過去30年間で3倍以上に増え、2008年には、子どもや若者の3分の1以上が体重過多または肥満と判断されています。肥満と判断された今の子どもは、親の世代より平均寿命が短くなると予測されています。

しかし、フタを開けてみると乳脂肪2%牛乳あるいは全乳を飲んでいる子どもに比べ、低脂肪乳あるいは無脂肪乳を飲んでいる2歳と4歳の子どもは、太り過ぎや肥満が増加する傾向にあることがわかりました。

脂肪の少ない牛乳を飲んでいるのになぜでしょう?

親が子どものために肥満にならないように、乳脂肪の低い低脂肪牛乳を選んでいても、子どもはそれで満腹感が得られなかったのかもしれません。そして、満たされなかった空腹感は、別の高カロリーな食品を食べることによって、補われてしまったのではないでしょうか。

アメリカでの研究では、子どもの肥満を防ぐために低脂肪牛乳等の脂肪を抑えた牛乳を飲む必要がないことがわかりました。肥満を防ぐには、低カロリーな食事に置き換えるだけではなく、バランスの良い食事と適度な運動が必要だということを再認識させてくれたのかもしれません。