性別や年代に関係なくお寿司は、日本人のみんなが好きな食べ物です。特に回転寿司は、値段がお手頃なので気軽に食べられます。私達の生活には、欠かせない飲食店と言っても言い過ぎではありません。
だけど、「その回転寿司が、なぜこんなにも安いのか」を考えたことはありますか。寿司ネタの秘密は、回転寿司を経営する企業にとっては、トップシークレットといってもいいかもしれません。
そんな回転寿司のネタの秘密をご紹介します。
回転寿司は、 1958年に大阪府の元禄寿司によって、初めて誕生しました。それから、回転寿司は生き残りをかけ、日本の飲食産業に揉まれながら、進化を繰り返してきました。
一昔前の回転寿司がない時代の寿司は、高級料理の部類に入っていました。そのため誰もが口にできる食べ物ではありませんでした。
しかし、今では回転寿司ができたおかげで、身近に食べれる人気外食店となりました。消費者を味方につけた回転寿司は右肩上がりの成長を続けています。業界の市場規模は、2000年頃から10年で約2倍になっています。
回転寿司業界1位の「スシロー」を展開するスシローグローバルホールディングスは、もはや飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長しています。
2000年の売上は200億円に届かいないぐらいで、店舗数も50店舗ぐらいでした。それが2017年の売上は1564億、店舗数は500店を超えるまでに成長しました。今後もスシローの動向には目を離せません。
北は北海道から南は沖縄まで全国に回転寿司チェーン店が存在します。あなたが普段通っている回転寿司は、売上ランキングに入っていますでしょうか。
順位 | 店舗名 | 売上 | 店舗数 |
1位 | スシロー | 1,946億円 | 495店舗 |
2位 | くら寿司 | 1,378億円 | 429店舗 |
3位 | はま寿司 | 1,185億円 | 503店舗 |
4位 | かっぱ寿司 | 761億円 | 328店舗 |
5位 | 元気寿司 | 420億円 | 152店舗 |
6位 | すしざんまい | 情報開示無し ※2016年259億円 | 57店舗 |
7位 | すし銚子丸 | 188億円 | 91店舗 |
※チョコミン調べ 2019年版
みんなが大好きな寿司ネタ上位には、性別や年代にほとんど関係なく同じものがランキングされています。人気上位のネタにはサーモンやまぐろ赤身、まぐろ中トロ、えんがわ、穴子、ウニ、イクラなどです。
そんな人気の寿司ネタに代用魚が使われていることを知っていましたか。
ちなみに代用魚や代替魚、偽装魚の意味は、日本で古くから食用とされてきた魚介類の代用として、違う魚を利用することです。寿司でいう代用魚は、言うまでもありませんが寿司ネタの部分になります。
今やどこの回転寿司でも利用されています。またトラウトサーモンも利用されていることが多いです。トラウトサーモンとは、ニジマスを海で養殖したものになります。
体長は約80cmです。肉質がマグロ類に比べて、やや黒っぽく脂肪分が多い特徴を持っています。回転寿司でマグロやカツオのたたきとして利用されています。
本来希少な部位であるはずのヒラメやカレイのエンガワ(縁側)です。しかし、回転寿司の実態は全く無縁で、最大3mもの深海魚のオヒョウのエンガワです。
回転寿司では安く食べられますが、今や穴子は高級魚です。そのためまず本物は出てきません。写真のような1m50以上あるクロアナゴが出回っています。写真のクロアナゴは、400~500人分ぐらいの寿司ネタになるようです。
高級品として名高いアワビも、その正体はチリ産のロコ貝です。歯ごたえがアワビにそっくりな貝です。ニュースでも京都ブライトンホテルで話題になりました。
全長2m、体重270kgにもなる大型の深海魚です。
専門家によると、明らかに違う種類の魚を別の魚として表示する寿司ネタは、虚偽であり違法性があるようです。また魚の種類を混同させるような表示は、実際の魚よりも良いものと勘違いさせる可能性があるため、景品表示法上の不当表示に該当する可能性があるとのことです。
しかし、一般的に多くの回転寿司で提供される寿司ネタには、代替魚が当たり前のように使われています。その理由は、飲食店で提供される寿司ネタには表示ルールがないためです。もっと正確に言うとルールはありますが、寿司ネタ(飲食店)には適用されません。
そのルールは、法律でいうとJAS法の加工食品品質表示基準に該当します。この法律は、原材料を一般名称で表示することを義務づけています。しかし、JAS法の基準は容器包装された加工食品に適用されるもので、飲食店で提供される商品には適用されません。
例えば「イクラ」は、サケの卵として日本では知られていますが、イクラの語源のロシア語では、「魚の卵」という意味です。そのため寿司屋側が、イクラはサケの卵とは限らないと主張する余地を残してしまっているのが現状です。
私たち消費者は、安くておいしい寿司を食べたいと思っています。きっと店側も、そのニーズを叶えたいと思って寿司を提供しているはずです。しかし、名前を聞いたこともない魚の寿司ネタは、食べる人を減らしてしまうでしょう。
寿司屋が代替魚を利用して握っているのは、私たち消費者に知られていない魚を美味しく食べてもらう一つの手段なのかもしれません。
最後に私の行きつけの回転寿司をこっそりご紹介します。池袋西武に入ってい「回し寿司 活 美登利 西武池袋店」です。また池袋東部に入っている回転寿司の「トリトン」もおいしいです。ぜひ両方とも、お試しください!
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今から15年くらい前に(頭が真っ白になってが流行った頃)、テレビで森永卓郎氏が解説していたコメントです。
回転寿司の代用魚は食品偽装には当たらない。消費者のほとんどが代用魚と知っていて、例えばマグロといってもアカマンボウ、スズキといってもナイルパーチとか、当たり前に浸透しているからと。
実は当時は私は知らなくて、でも安いのだから当たり前かと納得し、別になんとも思わなかったです。だった安いし、どうせ自分の舌で違いが分かる訳でもないし。
それよりも違う魚で似た味の食材を探してきた、仕事としての能力に感謝です。私は代用魚で十分ですし、安く似た味を提供してくれる仕事人に感謝です。
オヒョウって、「カレイ目カレイ科オヒョウ属」の、れっきとしたカレイなんだけど。
どこが無縁なの?
ニジマスだって「サケ目サケ科サケ属」で、ただ海に下らずに川で過ごしているだけで、ベニザケやギンザケと大して変わりません。
そうそう、ブラックタイガーも「クルマエビ科」なんだよね。
ちゃんと分類学の区分で見てます?